チャットボットに必要なのはビールテスト、Slackボット開発の11箇条
Pocket

本記事は、VentureBeatにSlack社のAMIR SHEVAT氏が投稿した「Bots don’t need to pass the Turing test — just the beer test」という記事を翻訳したもので、良いチャットボットを作るためのコツを紹介しています。

アラン・チューリングによって1950年に発明されたチューリングテストは、ある機械が知的かどうか(人工知能であるかどうか)を判定するためのテストです。

私がSlackに入った時のビジョンは、開発者がチャットボットを開発し、チューリングテストに合格するようなものが1日の間に2つか3つ出ればいいな、というものでした。しかし時が経つにつれ、ビールテストがより重要なのではないかと考えるようになりました。

では、ビールテストとはなんでしょう?

チューリングテストよりもビールテストはずっと簡単です。

私がニュージーランドで働いていた時、エンジニアやプロダクトマネージャーの面接を担当していました。彼らの技術力を査定することに加え、「この人物といっしょにビールを飲みに行きたいか?(ビールじゃなくても、寿司でも、遊びに行くでもいい)」という質問に答えなければなりませんでした。これは非常にシンプルな質問ですが、深い意味を持っています。

「あなたは、この人と毎日一緒に働きたいですか?」

「この人は仕事をうまくやってくれるだけでなく、良い人ですか?」

もっとうまい言い方があるかもしれませんが、私たちはGoogleでこのことをGoogliness(グーグリネス)と呼んでいました。このビールテストに合格するような人は、素晴らしく、興味深く、そして面白い人であると思います。

では、どうすればあなたのチャットボットをビールテストに受からせられるでしょうか?

Slack社内のチャットボットハッカソンや開発者たちを通じて、いくつかのベスト・プラクティスを集めてみました。

・チャットボットは常に「help」コマンドを用意し、どうやって動くのかを手短に返すべきだ

・チャットボットは、たとえユーザーの言っていることが理解できなくても、DM(ダイレクトメッセージ)やメンションには反応すべきだ。「ちょっとわからないよ!」と言う方が、無視するよりずっとマシだ。

・チャットボットは、チーム内すべてのユーザーにDMを送ってはいけない。でも、火事のときは別だ!

・チャットボットは、たくさんのメッセージを送る前には、チャンネルの中で丁寧に自己紹介をすべきだ。

・チャットボットは常に、チーム全員にメールかDMを送る前には、前もって許可を取るべきだ。理想的には、チャットボットを導入した人に、新しく入った人への案内を頼むべきだ。

・チャットボットは、「ミュート(消音)」と「停止」に対応すべき。

・チャットボットは、勝手にメッセージを送る前には気を使って「ちょっといまお時間ありますか?」と言わせるべき。

・チャットボットが公開チャンネルか、それともDMか、それとも両方で使われるものかはちゃんと考えたほうがいい。1つに絞ったほうが分かりやすいことが多いよ。

・チャットボットが会話を理解できない時には、使い方を簡単に伝えたり、詳細な使い方へのリンクを教えてあげるのがよい。

・チャットボットを個人に最適化(パーソナライズ)しよう。好みや基本情報を覚えさせておくと、先々のやり取りがずっとスムーズになるよ。

・同じことを言うときでも、ランダムに答えるのがいいよ。

なぜ、人間的なチャットボットを目指すのではなく、素晴らしいチャットボットを目指してべきなのでしょうか?

理由はいくつかあります。

人間的なチャットボットを作り、チューリングテストに合格することはすごく難しい。自然言語処理を活用し、複雑な対話に答えられないといけないし、やるべきことはたくさんあります。

対話式で凄いユーザー体験を作り上げるための技術は十分出揃っていますが、人間が持っているような複雑な会話スキルを備えていなくとも、チャットボットが良いサービスを提供することは可能なのです。

私たちは「会話がオフィスの中心となる時代」を迎えているので、歩を進めて、あなたのサービスをチャットボットで提供し始める時は、、、今なのではないでしょうか。

 

Pocket