TelegramのBotストアから想像するBotの未来
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2016年は、Bot(ボット)ラッシュの年になると言われている。

日本では、LINEがBOT APIの公開を夏頃に予定していることを発表したし、Facebookも近々「Messenger Bot Store」を発表すると噂されている。

4月に入り38億ドルの評価額で2億ドルを調達したSlackもBotを開発するフレームワーク「Botkit」を公式に支援したり、Botのために8000万ドル規模のファンドを立ち上げた。Microsoftだって自社のSkypeだけじゃないクロスプラットフォーム対応のBot開発用フレームワークを公開予定だ。

さて、本当にBotに未来は来るのだろうか?

ある人はまるで友人にメッセージを送るかのようにBotにメッセージを送るようになると言っている。Skypeのアプリでは、Peopleと並列してBotを並べている。チャットBotという呼ばれるが、単なる機械の応答ではなく、何度もやり取りをしながら目的を達成していくまるでアプリのようなBotサービスが広まりつつある。
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結論から言うと、Botサービスは普及すると思う。この理由を、今最も、Botに対してオープンなメッセンジャーであるTelegramのBotストア「Telegram Bot Store」を参考に紹介していきたい。

Telegramは、セキュリティ機能を強化したメッセンジャーアプリ。日本では使われていないが、アプリの公開から2年半の2016年2月に月間アクティブユーザー数1億人、新規会員登録数35万人/日を達成していることを発表しており、1日のメッセージ数は150億通にものぼるとのことだ。

Telegramは、2015年1月にBotを開発するためのAPIとプラットフォームを公開、その後「Telegram Bot Store」を他のメッセンジャーに先駆けて立ち上げている。ゲーム、ソーシャル、ニュース、エンターテインメントなど9つのカテゴリーに分かれて約2200のBotが登録されており、公式のストアに並ぶBot以外にも開発者が独自で配布する野良Botが無数に存在しています。

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カテゴリーと登録数

スクショ 2016-04-05 19.51.58

すでに、何千、何百というレビューがついているBotがいくつもあります。Telegramで提供されるBotを触ってみると、Facebook MessengerやLINEのメッセンジャー上も、Botが普及するだろうと思わされるいくつかのポイントが見えてくる。

それは、

  1. キーボードのカスタマイズにより、学習と入力の手間が省ける
  2. アルゴリズムにより最適化&選択された情報を手に入れられる
  3. チャットという広告が入り込む余地の少ないUI

これら3点です。ここから、詳しく説明していきます。

1. キーボードのカスタマイズにより、学習と入力の手間が省ける

Botとやりとりをするためには、文字の入力が必要です。Botはそれぞれにプログラムされたコマンドを使わなければなりません。

例えば、英語だと「find book」(本を探して)などのように、動詞+目的語を取る形が多くなります。Botは複数のコマンドを持つので、Botを使いこなすためにはコマンドを覚える必要があります。

そして、日本語が絡むと全角・半角の変換の問題や、開発時には日本語でコマンドを作るべきだろうか?と悩みどころも多くなると思います。英語を使ったほうがシンプルでわかりやすいですが、日本人にとっては馴染みづらいからです。

しかし、TelegramのBotを見ていると、キーボードがカスタマイズされていることに気が付きます。Botを操作するためにコマンドを覚えたり、文字を入力したりする必要がありません。

スクショ 2016-04-05 22.06.05例えば、左の画像は「Hot Or Bot」という女性に対してLikeかそうじゃないかをするためだけのキーボードになっていますし、右の画像では、レビューをするためにカスタマイズされています。
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このForbesのBotは「Most Popular」、「Categories」というガイドに沿ってボタンを押して行くと記事を取得することができます。

このように、TelegramのBotでは、Botごとにカスタマイズされたキーボードをプログラムすることが可能なので、ユーザーは、簡単にBotを使い始めることができます。

カスタマイズされたキーボードは、日本語でBotを作る時の言語の問題も同時に解決してくれます。「探す」「予約する」といったアクションを「find」「book」に置き換えても、自然なUIになるからです。

2. アルゴリズムにより最適化された情報を手に入れられる

チャットというUIは、多すぎる情報を一度に表示することが出来ません。長すぎるテキストや何通ものメッセージを一方的に返しても、ユーザーは追いつけず、確認するために上にスクロールをして見返さなければなりません。ユーザーとBotが1通ずつやりとりするのが理想だと思います。

下図は、ニュースアプリ「SmartNews」とForbesのTelegram Botの画面をならべたものです。ネイティブアプリでは一覧性高く情報を表示できますが、Botで一度に表示できる情報量が多くありません。

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そこで、Botは、特定のアルゴリズム(単なる最新5件、人気5件といった単純なものかもしれません)によって、ある程度絞られた情報を出さざるを得なくなるでしょう。

機械学習や自然言語処理を活用してユーザーごとに最適化された情報を提供されることが求められます。たくさんの情報のなかから自分で選択したいという人には不向きかもしれませんが、時間がなかったり、おすすめを数件表示してくれれば十分だという人にとってはBotが提供する最適化された情報は、ネイティブアプリを超えて便利なサービスになるでしょう。

3. チャットという広告が入り込む余地の少ないUI

現時点ではBotには確立されたビジネスモデルはありません。しかし、決済APIが検討されていたり、LINEは先日行われたカンファレンスで「有償でのサービス提供を可能にするBotストア」を計画していると発表しているので、Botというビジネスが成立つ可能性は十分にあります。

広告はどうでしょうか。チャットというあまり多くの情報を表示できないUIでは、広告を表示することはユーザーに強く嫌われると思います。実際に、TelegramのBotには、現状広告が入っているものは(筆者が見た中では)ありませんでした。

シンプルで、わかりやすく、広告のないUIはユーザーにとって理想ではないでしょうか。

Botの可能性を体感できるおすすめBotはコレ

ここで、Botを理解する上で、おすすめのBotを紹介します。「U MAD」という面白GIF画像・動画を一つずつ見せてくれるシンプルなBotです。Telegramアプリをインストールする必要がありますが、ぜひ使ってみて下さい。

「Telegram」はこちら

「U MAD」はこちら

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まとめ

2016年の半ばから、ニュース、ショッピング、飲食店探し、など様々なサービスがBotというかたちで提供されていくと思います。Botニュースでは引き続き、Botのトレンドに注目して、情報発信していきます。

参考

Skype launches ‘Bots’ feature & developer platform for iPhone and iPad app

暗号化メッセージングアプリのTelegram、月間アクティブユーザー数1億人を達成。新規ユーザーは35万人/日

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